Monisan

LAMB/ラムのMonisanのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.8
観た。

もう少しグロい表現もあるかな、と思っていたけど、冒頭の動物達の丁寧な描き方を観て、大丈夫だと安心できた。
特に羊さん達への向き合いとか、出産を補助するシーン、これきちんと訓練したよね、演者さん達。

犬も夫婦に慣れているし、きちんと慣れさせて撮影に望んだんじゃないかな。猫もあまり出ないけど可愛い。

アイスランドの雄大な景色、白夜の明るい夜、家の撮り方など映像はとても静かで上品。

3部構成で、1章はとにかく暮らしを丁寧に描写。2章でアダが現れて幸せの象徴だと言いつつもどこか不穏。3章で更にざわついてくる。
娘・アダを亡くした夫婦だと分かり、羊人間のアダへの妻の執着も納得。
弟はあまり素行が良くないし、妻をなんとかしようとする姿も不快で好きにはなれない。母親羊を殺す所を見られていたのを知り、街へと送り返される。

まさかの最後は悪魔のような羊父さんなのかな、登場で悲劇で終わる。
なんだろう、悪夢のような怖い童話のような読後感。
何を得れば良いんだろうか。

でもヘンデルのサラバンドが流れるエンドロールも品が良く、穏やかな気持ちで終わる。

アダは愛らしくて、自分でも同じように可愛がって育てるだろうな。

ヴァルディマル・ヨハンソン、監督。
ローグワンの特殊効果担当の長編デビュー作との事。
Monisan

Monisan