ぐりこ

ずっと独身でいるつもり?のぐりこのネタバレレビュー・内容・結末

ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

当方、未婚女ですが、刺さったねー。
女目線の感想です。

やー。言ってしまえばこの映画、この多様性の時代に
「みんなそれぞれ自分の幸せを軸に生きてこうね!!!」っていう、ただそれだけの簡単な話。
なのだけど!!
そうは思っていても、やはり周りの言うことだったり環境で、ちょっとたまにズレちゃうし、
意識しないうちに他人の価値観に飲み込まれてるときってある。そーいう部分にささる映画だと思う。

パパ活女子についてはあんまリアリティない。
20代のパパ活女子はまたちょっと違う感じな気がする。
脚本書いた人パパ活女子と遊んだことないんじゃない?


すっごいフェミみたいな話になってしまうが、女性の社会的立ち位置から振り返りたい。

言うなれば婚活、それは歴史的に制度的にあって、明治時代でいえばそれは女子教育(花嫁修行)から始まった(田舎は除く)。
---花嫁修行としての女子教育の時代はあまり映画に関係ないので割愛---
で、その後、女児の教育が男児と似たものになった頃から女性の人生は特に連続性がなくなってくる。
男性は「教育→仕事」と分断がないが、女性は教育を受けても仕事に繋がらないため将来性がなく、結局教育を活かすことなく嫁に入る。
時代がくだり、女性が働く時代になっても、まだまだ女の賃金は少ない。仕事についても結婚というイベントにより専業主婦につくのが常識だった。

こうやって社会の制度や背景に合わせて女性の生き方、結婚のあり方は変遷してきたわけだけど。

で、
まだ男女の賃金格差はあるものの男性賃金に近づいてきて、出産や育休に関する法律も徐々に整ってきた今の令和。
この時代への一つのアンサーをこの映画は描いていると思う。

さて、(もちろん全員ではないが)結婚をしなくても女が自分一人を養える時代がきた。
さて結婚はしたほうがいいのか?しないほうがいいの??
お金は自分でなんとかできる。では結婚のメリットってなに?愛?寂しさ?幸せ?子ども?
逆に結婚することでのデメリットってなに?
旦那への気遣い?姑問題?責任感?

価値の多様性が認められた時代だからこそ、自分の多様な選択肢を前にして揺らぐことがある。
(この映画の主題が女性なので、女に限定して書いてます。)

しかもこの揺らいだときに親世代の、かつての時代の価値観を押し付けられたりする。
それは親からの「孫がみたい」「結婚しないの?」という言葉だったり
相手の男を主夫とすることへのなぜか感じる自分の中での抵抗感だったり(友達に「それってヒモじゃん」みたいな言われ方をすることもある)
そういう色々。
そこでなおさら自分の軸がぐらぐらぐらつく。

でもそう。普通に考えて、
相手と一緒にいたければ結婚してもいいし事実婚でもいいし、未婚で子供産んでもいいし、相手いなければ結婚しなくたっていいし、
専業主婦になりたいならなればいいし
仕事したいならすればいーし
別に何したって良いし自分の人生親だって他人だってとやかく言われる筋合いはないのよーーーー
!!!って、
迷ってるときに見るとスカッとさせてくれる映画です。

みんな死ぬ時は一人なので
わたしも人生楽しく生きまーす!
ぐりこ

ぐりこ