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裸足で鳴らしてみせろのwawawanのネタバレレビュー・内容・結末

裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

@渋谷ユーロスペース 工藤監督&Aマッソ加納さんアフタートークの回を鑑賞

監督がめちゃくちゃ若くてびっくりした!!


以下雑ですがあらすじ↓

大学を中退した後、田舎町で父親の廃品回収の会社を手伝うナオミは、ひょんなことから盲目の母ミドリと暮らす青年マキに出会う。
「このお金で世界中を旅してきて」と底を尽きた通帳をミドリに渡されたマキは、不用品回収で手に入れたレコーダーを手にナオミと偽りの世界旅行を行う。
身近なもので「世界の音」を作りだし、ミドリにテープを渡す彼らは、「世界旅行」の中で次第に惹かれ合い...


良い意味で、ずっと夢心地だった。今まで邦画を観て味わったことない感覚。
ストーリーは古典のように美しい悲劇のはずなのに、観終わった後に不条理感ややるせなさがなぜか残らない。

ナオミの貧しさも田舎のどうしようもな閉塞感も、2人の悲しい嘘も肯定しあえない恋も、荒っぽくも完成された独特の世界観が全てを優しく包み込んでくれていたと思う。
彼らをどこか他人事として捉えられる映像美は、どこか遠い国の出来事のようだった...。

LGBT作品を観る時の違和感はずっと拭えることはないと思ってたけれど、今回でちょっと答えが見えた、というか何故違和感があったのかわかった。(気がする)

男の人が女性同士のそれを知らないように、私は男性が2人きりでどんなコミュニケーションを取るのか全くわからない。それが親友同士でも見当がつかないんだから、彼らに恋愛感情が芽生えたとして、全くわからないわけで。(想像力がないと言われればそれまでだけど、なんせ感覚的にわからん)
だから今まで同性愛を映像で見せられた時、私は彼(彼女)らが恋愛に発展するプロセス(背景やストーリー)に共感しようとするしかなった。

ただ、この映画は2人の感情に必ずしも共感できなくても良かった、
なぜなら、子犬のようにじゃれ合う彼らの愛情表現がとてもリアルで懐かしくて、スッと心に入ってきたから。
そしてそのじゃれあいの中に葛藤、例えば抱きしめたいとかキスしたいとか....。
そういう性愛が生まれる2人の距離感もとても絶妙で...。
探り合いの末、恋愛感情を押し殺した2人が殴り合いをしてしまったのもあぁ、生物としての本能なのかもしれないと。

最後マキが、ナオミのことを頑なに抱きしめようとしてたのが切なかった。


アフタートーク含め、とても良い経験ができたと思う。どんな感性をしていたらこんな芸術作品を取れるんだろう。

まとまってない文章だけど
おススメです、、!!
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