爽

裸足で鳴らしてみせろの爽のレビュー・感想・評価

裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)
4.7
これは大傑作だよ。
ラストシーン、何回テイク粘ったんだ...絶妙なアングルで、最高のショットで〆った。
この映画を観ながら思い出したのは「マイスモールランド」だった。
ルーツが海外にあって帰りたくても帰れないっていう設定は、外に出たいけど出られないというこの映画と逆なんだけど社会規範がコミュニティーからの脱出を許してくれないという点では同じで。
舌触りの滑らかなプリンのような映画だなと思いつつ気持ちよく眺めていたら、ある場面から一転してトゲトゲして突き刺してきた。
フランス映画のような「魂の戯れ」を描く前半から後半は一転して日本映画に受け継がれてきた閉塞感の話に転調する。
いやちょっと精神年齢低いなとは思いつつ、俺にもこういう時期あった。めちゃくちゃこのジレンマ分かるんだよ、、、もう共感しかなかった。
とはいえ1番の見所は「聴覚から広がる夢幻世界」であり、これはオフ・スクリーンにまで広がる世界であって、写しとる映像の外にまで世界が広がっているという描き方が絶品だった。
工藤さん、推すわ、、マジで

若さの醍醐味が詰まってた。
20代でしか過ごせない時間の流れ方が刻まれていた。
爽