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不安な体のdm10foreverのレビュー・感想・評価

不安な体(2021年製作の映画)
3.5
【さかむけ】

MyFFF駆け込み視聴。

なんとも不思議な質感の作品。
台詞は一言もなく、ただ終始フワフワとしていながらも、時に痛覚を刺激するような鋭さも併せ持ちながら・・・。

肌と肌が触れ合うのは、もともと別のものだから。
男と女が触れ合うのもそう。
別々のものだからこそ「触れ合う」

触れることで得られる安心もあるだろうし、離れることでの寂しさもあるかもしれない。

そして、その二つのものは意図を持たない無機質なセロハンテープによって強制的に繋ぎとめられる。
互いの意図や感情を無視した強制的な束縛は、やがて求めていた感情とは相反する感情を生み出す。

離れることに生じていた切なさや不安感は、離れることができないという不可抗力に対する不快感も生むし、触れたいという願望は触れてしまった後の現実に染まっていく。

たった6分のショートフィルムで、しかも相当抽象的な内容であるため、本当に作者が意図していることはなかなか掴めない類の作品。

ただ、触れ合う肌の質感に艶かしさを感じながらも、それが離れる瞬間の「一瞬の儚さ」みたいなものもあって、ふんわりながらも印象に残る作品ではあった。

「さかむけ」はセロテープではなく絆創膏を貼りましょう。
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