【さかむけ】
MyFFF駆け込み視聴。
なんとも不思議な質感の作品。
台詞は一言もなく、ただ終始フワフワとしていながらも、時に痛覚を刺激するような鋭さも併せ持ちながら・・・。
肌と肌が触れ合うのは、もともと別のものだから。
男と女が触れ合うのもそう。
別々のものだからこそ「触れ合う」
触れることで得られる安心もあるだろうし、離れることでの寂しさもあるかもしれない。
そして、その二つのものは意図を持たない無機質なセロハンテープによって強制的に繋ぎとめられる。
互いの意図や感情を無視した強制的な束縛は、やがて求めていた感情とは相反する感情を生み出す。
離れることに生じていた切なさや不安感は、離れることができないという不可抗力に対する不快感も生むし、触れたいという願望は触れてしまった後の現実に染まっていく。
たった6分のショートフィルムで、しかも相当抽象的な内容であるため、本当に作者が意図していることはなかなか掴めない類の作品。
ただ、触れ合う肌の質感に艶かしさを感じながらも、それが離れる瞬間の「一瞬の儚さ」みたいなものもあって、ふんわりながらも印象に残る作品ではあった。
「さかむけ」はセロテープではなく絆創膏を貼りましょう。