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あのクリスマスのhariのネタバレレビュー・内容・結末

あのクリスマス(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

お父さんに同情してしまう。どんな理由で離婚に至ったのか分からないけど、子供にあんなふうに拒絶されて、パーティー会場で孤立して、自分は一人なのに元奥さんには仲良しの夫がいて、その夫は別に悪い人ではなさそうで。自尊心がごりごりに削られているのが手に取るようにわかって見てるだけで辛い。そのうち死にそうで怖い。

でも大人のそんな心情や状況は子供には関係ないから、気を遣わせてしまうのは本当はよくない。

父親って母親以上に子供の精神的支柱となるような存在だと思う。何かがあっても絶対に守ってくれる、そんな根拠のない絶対的な信頼、父親がいれば安心・安全だ、という世界観を持っている。

そんな父親の情けなくて惨めな姿、父親の尊厳が守られない様子を見るのは、そんな世界観が失われるということで、それは大人になるということでもあるけれど、何もこのタイミングでなくてもなあ…。

親だって弱さや駄目なところを持っている一人の人間なんだと知り、一人の人間として向き合い、受け止めるのは、大人になる過程で通過する大事なポイントだと思うけど、この子には早すぎるしやはりタイミングが…。

この子は親の離婚を経験した時点で、「家族は壊れない」という、これも子供なら持っているであろう世界観を喪失しているわけで、その上でこれはキツイなあ…。

現実を知っていくことは大人になるために大切だと思う。でも時期や方法というものが…。
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