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プリテンダーズのbatabataのレビュー・感想・評価

プリテンダーズ(2021年製作の映画)
3.6
渋谷のユーロスペースにて鑑賞。
人狼ゲームで惹かれた熊坂出監督の最新作。
今作でも随所に散りばめられたドキュメンタリータッチのカメラワークが秀逸。
パンフで見たら人狼ゲームの時とはカメラマンが違うのか。

渋谷という街を最大限活かした演出。
体当たりってこういうことなのかなと感じさせられる小野花梨さんの迫真の芝居。
独特の空気感で寄り添う見上愛さん。
脇も隙なく固められたキャスティング。

世界を変えたい思いを通して自分を見つめ直すことの恐ろしさ。傷つき傷つけられながら、血を流して成長する主人公に序盤で抱いた嫌悪感も薄れてただただ愛おしかった。

渋谷でのカタルシス。
監督が舞台として渋谷を選択した思いが込められた正に解脱のような、解放感と充足感に満ち溢れたこの映画を象徴するシーンでもあると感じた。
そしてそこで終わらせないことにも感動。

我々と地続きの世界で生きる彼女らを通して生きにくい世の中を少しでも生きやすく生きていきたいと思った。
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