プリテンダーズの作品情報・感想・評価

「プリテンダーズ」に投稿された感想・評価

牛島彩

牛島彩の感想・評価

5.0
主題歌の『ghost』の「僕を乗っ取って。体はいらないから」と繰り返す歌詞の達観とは真逆で、映画の主人公はギラギラドロドロの過剰な自意識の呪縛に絡め取られて、誰からも認められず尊敬されない不満を、全世界を下に見るという最悪のハンドリングで誤魔化す生き方を選んだ、こじらせ引きこもりヤングケアラー。
彼女はまるで中学時代の私です。すべての家事を押し付けられ、褒められるどころか毎日殴られ、学校でもみすぼらしい自作のお弁当を笑われていた、あの頃の自分を見るようで、痛々しくてみっともなくて息苦しかったです。

どんな角度で受け止めてもザラザラしてイガイガしたヒロインの歪さに、ずっと抜けない棘を身体中に刺された気がします。しかしこの棘は、抜いちゃいけないんだと思います。

何をしたり顔で平然と生きてるフリしてんだ、私。
空気の読み方が分からなくて七転八倒してたくせに。
全方向に息ができないほど気を遣って生きてるつもりで、それが全部的外れで周りの人を傷つけ嫌われ続けてきたくせに。

そういう、過去のヤバい記憶がどんどん蘇って、心が紙やすりで削られるようにザラつきヒリつく作品でした。痛いけど、繰り返し観たい。何度も泣きながらヒロインを軽蔑し、かつての自分を罰し、また労いたい。
モブ子

モブ子の感想・評価

2.0

このレビューはネタバレを含みます

小野花梨さんの芝居とてもよかったです。

自らに呪いをかけてそれを解けなくなったような主人公。冒頭の先生と父親の会話から、友人に罵倒されてストリート自己啓発セミナー?で修正されて、とりかえしのつかない巨大ブーメランが帰ってくるまでいちいち不快なんですよ。そう思わせた送り手側はしてやったりでしょう。

でも住所まで割れて家族が簡単に立ち直れるはずないし、保育園で仲間外れになってしまった妹を助けたいプランと行動がうまくいったかわからないんだよなぁ、見落としたかなぁ。妹と他園児が手をつないで逃げてる描写でもあると観てるこっちは救われるんやけど。モヤモヤしたまま観終わった。そこまで計算ずくなら拍手だけど。
beens

beensの感想・評価

2.1
最後のエンドロールとghostがぐっとくるな。ずるい
映像に音が無いからか、すごく生々しくて私が映画に求めるものはあくまでフィクションなのであまりハマらなかった。
滲み出るものがなく、リアルぽいのにリアル感がなく。なので2.1で
USUMAYU

USUMAYUの感想・評価

4.8
フィクションなら何をやってもいいのか、
覚悟さえ決めてしまえば何をやっても良いのか、そこに傷付く人はいないのか。その辺の問題はまだ答えを出せずにいるけど、とりあえずものすごいとんがった作品、
余りに攻めすぎた映画は痛々しくなりがちだけども本作はハラハラしつつも楽しく見れた。『ドラえもんとアウトレイジ的不条理』はどっちに落とすか分からなくて本当にしんどかったけど…

俳優さんの演技は全体的に素晴らしかったけど作品内のMVPは野田あかりさんだと思う。子供の力は本当に凄まじい。
妹力が振り切れてると言うか可愛すぎる。
天使かよ…。全部掻っ攫っていった。
かに

かにの感想・評価

5.0
レイプ的なシーンがあるのと画面揺れがすごいのでトラウマある方や酔いやすい方は気をつけてください。

ヤングケアラーでみんなと同じにできない女の子がもがく話。途中までつらくてつらくて仕方なかった。レイプシーンでは生々しすぎて途中で席を立ちたくなった。最後は希望で終って本当に良かった。現実の中にある嘘と嘘の中にある現実。良いプロレス見たみたいな気持ちになった。嘘だったとしても、そこで生まれる感情はほんとなんだよね。謎の男がこちらに向かって語りかける「お前のせいで誰も信じられなくなった」という言葉と園長先生の「嘘が嘘だとわかっているから安心していられる」どちらもズシンとくる。見終わって混乱しています。
tomou

tomouの感想・評価

4.0

共感か?拒否感か?という宣伝のこの作品
共感したかったけど、個人的には拒否感の比率多めだった。

でも音楽は最初から最後まで良かった。懐かしいような、かっこいいお洒落感で好みだった。

そして、プリテンドしてない子供たち。本気の子供には弱いので泣いた。

役名とか、エンドロールに名前がいっぱいとか、映画愛を感じて
辛くて重かったけど、最後は意外に清々しく立席した。

映像がドキュメンタリーっぽくて、演技が上手くて、、現実っぽくて。
だから不快感を感じた。

この作品の実験的な試みの面白さは、きっと分かる人には分かるんだと思う。

分かりたかった。
時間と気持ちに余裕がある時にリベンジしたい。
mizuki

mizukiの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

保育園や幼稚園などで鬼がくる日って、確かにあった。なんでそんな悪趣味なことをするのか、子供心ながらに不思議に思っていたけど、確実な悪者を前に、園児同士で結託させて仲間外れをなくす意味があるという。
「プリテンダーズ」は、人々に人助けをさせ、自尊心が満たされ、自己肯定感を上げてもらうための存在であり、仕掛ける相手は絶対に欺くことが重要である。
いくら人のためとはいえ、「欺いている」ということが劇中では問題視されてくる。
「今日は鬼がくるよ!」と予告しておいて満を辞してやってくる幼稚園の鬼のように、人のためになる嘘は、嘘だとわかっているからいいんだという帰結の仕方に見えたのだが、素人目に見ると納得はいかない。
鬼を使うことが良い教育になるとは正直思ってない。無駄に怖がらせてかわいそうだし、「プリテンダーズ」の行動の方がよっぽどいい気がしてしまった。悪者を前に無駄に結託する感じ、悪者を決めて安心していたいという気持ちを許したのはそういう教育なんじゃないかって、見てて怖くなった。

嘘の哲学?と同時並行的に描かれていたのは、自己愛と自尊心のバランスみたいなところだったと思う。世界から評価されたい主人公。小説のコンテストに作品を送って選ばれなくて悲しいけど「ゴッホになりたい」と言う。つまり、生きてるうちに評価されたいと強く願うのと同時に、死んでから評価されたら相当美しいだろうなとゴッホを羨んでいる。
そして「プリテンダーズ」としてSNSを使ってバズることに命をかけるようになる。やはり、SNSはわかりやすく世界に拡散されていくような感覚を得られる。承認欲求が満たされる。でもいずれ行き詰まりを感じる。承認欲求は、世界に認められないからではなく身近な存在である家族から認められないから生まれたものであったと気づく…。
ここの話の持って行き方は、納得いった。結局、身近な人に認められたらそれ以上自分のことを世に広める意味はなくなる。広めようとして広めることにはもともとあまり意味はないと、個人的には思う。庵野監督と松本人志の対談で、「世界ってここ(自分の頭を指差しながら)ですよね。」と言って二人で共感しあっているのを見たのを思い出して、世界に対する天才と凡人の意識の差を感じていた。凡人は自分が大きな世界の中のちっぽけな一部だと思うけど、天才は一人一人の世界が集まってるのが一つの大きな世界だと思っているということなのかなと。二分して考えるのはちょっと乱暴かもしれないけど。
SNSを武器に社会を変えようと奮闘する女子高生の話。

一見筋が通っていようとも、「悪いものは悪い」と言ってくれる家族や友人の有難さ。

モキュメンタリーテイストの攻めた内容で面白かったが、同時にものスゴく胸糞悪い。

締め方も、イマイチ納得がいかない。
SNSを武器に社会を変えようと奮闘する女子高生の姿を、社会風刺を交えて描いた熊坂出監督オリジナル作品は、世間から無視されたことで、究極の構ってちゃんになった17歳の花田花梨は、現実にフィクションを加えてファンタジーを生み出し、世界を変えてやろうとする姿を描いていく。
社会に反抗心を抱き、父親と言い争いをして家を飛び出した花梨は、親友の風子のところに転がり込む。
或る日、自ら行った善意の行動にに抱いた得も言われぬ感覚を切っ掛けに、「ドッキリ企画」で世界平和をもたらそうと考えつく。
風子と共に「プリテンダーズ」を名乗り、アイデアとSNSを武器に色々と仕掛け、そのフィクションの力で世直しをしようとする彼女たちは、協力者を増やしてバズることに成功する。
だが「好事魔多し」と言われるように、「プリテンダーズ」による一種の詐欺行為に対し、彼女らは手痛いしっぺ返しを食らうことになる。
しっぺ返しを食らった後、カメラの長回しで花梨が心情を語るシーンが出てくるが、その独白は彼女の気持ちがストレートに出ていて胸に響く。
この手の作品だと、ほろ苦い又は後味の悪い結末が多い結末が多いが、本作の場合、ほっこりとしたラストで温もりが残ります。
さよ

さよの感想・評価

3.9
現役高校生の私にはドカンと響くものがあった
私ごときの肩に社会は乗ってなくとも、小さな世界から私は私を律して変えていくんだという気持ちになれた
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