「笑いのカイブツ」🎬96
不器用で人間関係も不得意なツチヤタカユキは、テレビの大喜利番組にネタを投稿することを生きがいにしていた。毎日気が狂うほどにネタを考え続けて6年が経った頃、ついに実力を認められてお笑い劇場の作家見習いになるが、笑いを追求するあまり非常識な行動をとるツチヤは周囲に理解されず淘汰されてしまう。失望する彼を救ったのは、ある芸人のラジオ番組だった。番組にネタを投稿する「ハガキ職人」として注目を集めるようになったツチヤは、憧れの芸人から声を掛けられ上京することになるが…
Filmarksの試写会にて鑑賞。
2022年、この人やたらと連続で見てる気がする…と気になった俳優、岡山天音。
そんな彼が主演で、お笑いの構成作家を目指すなかなかぶっ飛んだ役をすると知って楽しみにしてた作品。
原作は未読。(ただし図書館では予約済み)
予告でも分かるように、今の日本を代表する役者たちが脇を固めていてそういう意味でも楽しみにしてた。
その期待値は裏切られることなく、なかなかの強いインパクトを残す作品だった。
この演技をした岡山天音に拍手。
(私の中では仲野太賀の方がヤバいやつ演じてるイメージだったんだけど、今回めっちゃいい役だった)
「生きる」「生きてる」って本来誰に憚れるわけでもなく、自分のメジャーで測って満足すればいいのに…他人による「お金」や「仕事」や「夢の実現度」、下手すると本来自分のものじゃない「配偶者や子供の存在」までもが人を測るメジャーとして存在する。そんな生きづらさが最大限に溢れてるツチヤの存在は見てるこっちとしてはMAX苦しかった。
私はついなんでも「常識」とか「当たり前」に縛られがちだからミカコの有り様はある意味すごいというか新鮮だったなぁ。
「人間関係不得意」漢字しか使われてないのになんだか無器用な感じする、独特の言葉な印象。
上映後のアフタートークでは監督の滝本憲吾氏と撮影監督の鎌苅洋一氏による撮影秘話なども聞けて興味深かった。
コロナを挟んで1年間が空いたと聞いた時は、映画見ただけじゃその1年の間は感じなかった分岡山天音の心情を考えるとこっちまで苦しくなる気持ちがした。
本当にお疲れ様でした。
私的には☆☆☆☆かな。
監督が劇場出口までお見送りしてくださって、試写会でそんなの初めてだったから嬉しかった。