すみ

笑いのカイブツのすみのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
3.9
好きとは執着だ。
好きだから苦しい。好きだから妥協できない。好きだから諦められない。好きだから辞められない。
社会に迎合せず、ひたすらに笑いだけを追い求める姿はまさに笑いのカイブツだった。
居酒屋のシーンすごく良かったな。
自分を苦しめている世間のために、自分の人生を捧げていがなければなならない、そんな皮肉。それでも、辞められないなら地獄のなかで死に物狂いでもがくしかない。

笑いのカイブツに取り憑かれたツチヤの人生は、幸せだろうか、不幸だろうか。
ツチヤにとっての笑いのように、自分のすべてを突き動かす「何か」を探してみたいと強く思った。余分なものを持たないツチヤの生き方は、生きづらくて危ういけど、潔くて羨ましい。

そういう演出なのだろうけど、セリフがところどころ聞き取りづらかったのが悲しかったな。
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