🎬2024年劇場鑑賞4本目🎬
頭を壁に打ち付けながらひたすら大喜利の答えをノートに書きなぐる青年。
"笑い"に人生を捧げた青年こと、伝説のハガキ職人ツチヤタカユキの凄まじい10代、20代を描いた実話ベースの作品。
岡山天音さんの出演作は何本か観ていたが、そこまできちんと認識していなかった&本作の印象が強すぎてもう完全にこのイメージになってしまった。笑
人とコミュニケーションが取れず仕事も続かない。
見ていて苦しくなるようなシーンがかなり多いのだが、実際こういう人って居るので。
不器用ながらも好きなことを突き詰めて、自分の全てを注いでいる日陰者からの「俺たちはここにいる、生きてるんだ」という叫びのようにも見える映画だった。
しかし反面、菅田くん演じる友人や彼女、めちゃくちゃ優しいお母さん、若林(?)……どう考えてもだいぶ周りの人に恵まれてるのにそれらを振り切って、敬語すら使わない主人公に愛想を尽かしそうになってしまったのも事実。
ツチヤみたいに生きてない人って別に好きな物に本気で取り組んでない訳じゃなく、思想はツチヤと一緒だけど好きなことをしつつ社会でも上手く生きれるように努力してる人もいる訳なので……
「俺はお前らとは違う!」とは言いつつ"お前ら"によって成り立ってる世界。
大喜利の賞を摂っても、芸人になっても、作家として売れっ子芸人にネタを書くことが出来ても満足が出来ず、最早何を目指しているのか分からなくなってしまっている。
そんなもがき苦しむ彼の姿を全部理解しているかのように見下ろす若林(?)の視線には「おお……」と思ったし、彼の気持ちを理解出来た時にやっとツチヤは変われるんだろうと思った。
令和ロマンが漫才指導に入っていたりとお笑いシーンのクオリティはかなり高くて面白いし、間に挟まれる大喜利も新鮮。