Uえい

笑いのカイブツのUえいのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
3.5
「大脱出2」目当てでDMMTVに入ったらこの作品が独占配信されていた。何となく気になっていたものの見逃していたので思わず視聴。

ツチヤタカユキという伝説のハガキ職人の自伝が原作で、笑いに執着する男の狂気や哀愁が描かれる。好きなもののためにとことん突き抜ける姿は「火花」や「あの頃。」を思い出した。

ツチヤはラジオやテレビの大喜利番組で有名になり、ついにはオードリーのオールナイトニッポンで若林から声をかけられ上京する。しかし、極度のコミュ障と、笑いへの強すぎるこだわりで孤立していく。お笑い芸人の裏につく作家という、バックステージモノでもあり、知らない世界なので楽しめた。

映画内ではオードリーではなくベーコンズという名前になっているが、春日役の声が似過ぎてて驚く。若林とツチヤの、愛がありつつも、少しづつすれ違っていく関係が切ない。

お笑いは難しいなと思った。面白いかどうかの基準は一人一人違っているけど、時代の空気感のような大きな流れがある。それにうまく乗れる=売れるということだと思うけど、それは同時に自分のお笑いの軸を曲げるという大きな決断が伴っているのを理解した。お笑いだけじゃなく、映画やゲームなど全ての製作がそうなのかも。
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