すごく驚いたシーンがあった。あるキャラクターが試合中にターンをした時、一瞬だけシューズが少し歪み、靴紐の両端2つが動いていた。
しかも小さく。たまたま見えたのかもしれない。ただ、これがこの作品を語る上で、重要なのではないだろうか。
井上雄彦のこだわり抜いた「躍動表現」だ。さらに、飛び上がる花道、疾走する流川、遠くを狙いすます三井。原作ではどうしても表現出来なかった「躍動感」を様々な工夫と知恵を振り絞り、目いっぱい魅せてくれた。
カット割りやカメラの目線、そして音楽にまで。監督の「センス」が洗練されており、秀逸だったから見ていられたのだと思う。
いつもどこかの場面で1歩引いた眼差しがある。余計な説明がなく、観客に考えさせる。だからこそ、我々を熱くさせるのだ。
オススメできる作品。