レク

THE FIRST SLAM DUNKのレクのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
3.7
世代を超えても根底にあるスポーツの熱さと感動がここにある…!
当時の突き動かされた想いはそのままに、『SLAMDUNK』という人気コミックのコンテンツのひとつから生まれた新たな作品"THE FIRST"が持つパワーに圧倒された。

何より、これを言いたい。
「動く漫画を体験した。」
こちらが読み進める(能動的である)漫画と流れる映像を見る(受動的である)映画の壁を見事に取っぱらう時間表現と視線誘導。
それに伴い、没入感や緊張感を観客が得ることができるのだから。
素晴らしいという一言に尽きる。

ただ手放しに褒めているわけではないし、ひとつの映画として評価できない部分も多い。
特に端的に、回想に関して後半は過多。
試合の臨場感と選手の心情を完璧というほどの時間表現で見せた流れをぶった切ってしまっている。
勝敗を期すスポーツにおいて、努力が報われる瞬間は泣いてしまう。勝ち負け以上の何かを得る物語も大好きだ。
でも、そこに回想は要らない。
あの試合、今その時だけの描写でも事足りるのではないか?

原作を知らない人にとって回想は勝敗を知る前のタメや焦らしになる。
が、原作のクライマックスで始まるこの映画は"原作ありき"でありながら、"原作にはない"回想を捩じ込むことで厚みあるドラマ性を生むと同時に
原作を知っているからこそ分かっている試合の流れ、臨場感と回想シーン過多の相性の悪さが目立ってしまっているように思う。
レク

レク