あの絵が動く!
正直なところ、アニメも漫画もちゃんと見たことなくて、本作もスルーの予定だったのだけど、劇場で予告編を見て「井上雄彦のあの絵がそのまま動いてる!」と衝撃を受けた。
ストーリーは、途中途中に宮城リョータを中心とした回想が挟まれるものの、湘北対山王戦の一試合に絞り込むという割り切り。ダイジェストじゃない一試合丸々をリアルタイムで見ている感覚。回想シーンは若干長いと感じるところもあったが、原作を知らなくても登場人物に感情移入できるようにうまく構成されている。
その試合の開始から終了までを、井上雄彦の精緻な筆致をそのまま再現した絵をモーションキャプチャを駆使してリアルに動かして圧倒的臨場感で描き切る。「アバター」とは違う方向性だけど、これも技術革新の一つ。ロック調の音楽もノリノリだし、クライマックスの無音も効いている。