原作で感動したのは、「あいつ……大人になったな」「いや…そうじゃねえ……バスケット選手になっちまったのさ…」とか「もう俺にはリングしか見えねえ」などに代表されるような、ほぼ「作品の面白さ＝試合の面白さ」であるストイックさであり、その試合の面白さを支えるのは人間関係のドラマではなくて各プレーヤーのスキルであることだった。
よって自分がスラダンに感じた魅力は、映画化に際して追加されたドラマパートには無かったと言っていい。しかもドラマと試合に有機的な絡まりが無いのもモヤる。が、やはり肝心の試合はめちゃ良いので結果的には楽しかった。もう一度見たいけどドラマパートがダルすぎて見たくない……試合シーンだけを繋いだ編集ver.が見たい。加点方式で見るとかなり気に入ったけど、減点方式で見るとかなりひどい。
オフェンスからディフェンスに戻る際に相手ボールをちょっと触ろうとする桜木だったり、フリースロー前のドリブルの感じとか異様にリアル。ボールがバウンドする音とかも超気持ちいい。
陰影に斜線をつけたり、冒頭の線画アニメーションだったり、漫画のタッチをそのままアニメにしようとしてる。その気迫が爆発するラスト1分のアツさは凄まじい。やっぱりアニメより漫画の方が上手い井上雄彦。試合ラストのアツさを100％感じるためにも原作履修しておいて本当に良かった。
