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THE FIRST SLAM DUNKの81のネタバレレビュー・内容・結末

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

全てのシーンに漫画のコマが思い出せるくらい見た待望の山王戦の映像化。
本当にマンガが動いているかのようなかのようなCG、革命的な表現に感動する。この映画は試合時間ラスト24.1秒を見るための映画。

リアルスポーツだと横からの定点カメラだからあんまり迫力ないんだけど、これはアニメでヌルヌル動くから迫力がある。CGに違和感は無かったというよりすごく良かった。思いの外試合は淡々と進む、逆にリアル。コミカルなシーンも引きの画でさらっと描かれている程度。基本試合が止まらない。

巷で色々言われていた声は安西先生以外は別にいいと思った、安西先生だけはかなり違和感ある。

この映画は宮城以外キャラの掘り下げは無い。だから赤木が河田に負けるシーンからの魚住登場で桂剥きとか、桜木vs美紀男で水戸が「パワーでも負けるな」っていうシーンなんかも無い。流川のアメリカに行きたい秘めた思いとかも無い。マンガには無いが沢北が神社で祈るシーンが追加さててそれはすごく良かった。

で、宮城は何がそんなに入ってるのか?それは父親と兄を失った家族との過去回想だ。そこが感動ポイントなんだろうけど、自分はこれが全然蛇足だなって思ってしまった。泣けるシーン作ったから感動したでしょ?って言われてる気がしてあまり好きじゃない。試合の合間に度々入る過去回想のシーンは退屈でしょうがなかった。。。基本少年漫画に親兄弟など家族の深い話っていらないと思うんですよね。

ただこの設定に感動する人がいるのも理解できる、宮城中心になったのはこの設定を見せたかったからだと解釈した。自分は好きじゃないけど。不幸な設定では無くプレイに感動したいんだ...

この設定を入れるなら赤木の河田への葛藤や美紀男vs桜木とか、流川のアメリカ行きへの相談とか、三井と鉄男のバイクシーンとかとか...作品内に感動出来るシーンたくさんあったのになーって思った。わざわざ設定作る必要そんなに無かったんじゃないかと個人的には思っている。

スラダン世代が親になり子供を持ってたりとかになってるから感情移入出来そうってことで入れたのかもしれないけども。代わりのシーンが母親の苦悩と兄の死の消費、うーんいらない。。。

桂剥きのシーンは無いけど魚住はいる...遠くに海南もいる。さぁ探してみよう。

私的に一番好きなシーンは河田が3ポイント打って「いかんわ」ってフォローに走るシーン、クールなプレイでかっこいい。

あれだけ宮城中心の物語で進んでことあるごとに母親がインサートしてきて、なのに最後は原作通り桜木と流川の例のシーンだしとチグハグさがすごい。もういっそのことパラレルワールドとして宮城を主人公として再構成してもよかったんじゃないか?とすら思えた。原作を知ってるから脳内補完できて面白く見れるけど、冷静に考えると脚本と構成は意味不明に思えるはず。

名作という人と駄作と評価する人どっちの意見も理解できる変な作風に仕上がっている。総じて面白かったけど同時に物足りなさと不満が残る稀有な作品。原作履修済みは是非視聴してもらいたい。

アニメ史上の歴史に残る作品であることは間違いないです。
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