AB型の末っ子

アステロイド・シティのAB型の末っ子のネタバレレビュー・内容・結末

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

これこそ芸術。

「劇中劇」
どこか作り物っぽいセットや絵本か絵画のような風景、そして穏やかだけど自然じゃない明るさの背景。
ウェス・アンダーソンがグランド・ブダペスト・ホテルやフレンチ・ディスパッチで描いてきた平面っぽい映画。しかし、今作は今までとは違い、少し立体的で、特撮のジオラマのような感じ。
でも、一番の「どこか作り物っぽい」理由は、劇中劇。初っ端のエドワード・ノートン演じる劇作家による劇こそが、アステロイド・シティ。
舞台として描かれてるものの、私達が観るのは劇作家の描いた世界観であり、舞台のステージではない。だからこそ、どこか作り物っぽいセットとしての雰囲気は残ってる。…のかな?w

登場人物たちの言い回しはどれも、どこか古臭い舞台のセリフみたいで、ウェス・アンダーソンの匂いも感じる。しかし、伝えたいことは、決してカビの生えることのない、生きること、死ぬこと。
この時代らしく、宇宙人も乱入してきて、アメリカ軍も大統領も大騒ぎw
エモーショナルな画も、くすっと笑える喜劇としての画も捉えたクセの強い一品。

カメラワーク1つとっても画になり、自分もその場で見てるような臨場感が半端ない。
そして何と言ってもいつものメンバーw
多少入れ替わりはあるものの、安定の演技力に心奪われる…。
ノートン始めスカヨハやジェフリー・ライトなど素晴らしい方々ばかりでしたが、特に、「しっかり者のお姉さん先生」なマヤ・ホークが可愛いし最高すぎて……
ウェス・アンダーソン、ありがとう。