ぺんじん

アステロイド・シティのぺんじんのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
4.1
陰影の無いカラフルな世界はなんと劇中劇だった!モノクロな現実世界とカラフルな劇中劇の入れ子構造に大混乱!ウェス・アンダーソン作品の中では一番複雑かも…
舞台は1955年アメリカ中西部の架空の都市、アステロイドシティ。ウェス・アンダーソン印の平面的な世界はいつものようにカラフルなんだけど、それが劇中劇という事はみんな演技をしてるという事なので頭が混乱してくる…
マリリン・モンローっぽい人物にメソッド演技への言及。1950年代の要素をカラフルに詰め込んだこの閉じられた世界はどこが箱庭療法の箱庭のようにも感じる。だから「痛み」について繰り返し語られるのは、フィクションでしか感じる事の出来ない痛みがあるのだという監督の意思表示のようにも思える。
「眠らなければ起きる事はできない」
この箱庭的な世界からはなんとなくユング的な無意識への言及があるような気がするけどそれは考えすぎかな…
そんな難しい事は考えなくてもオモチャのような作り込まれた映像にはキュンとしちゃうし、シャイな宇宙人もキュートで素敵!
前作もそうだけど結構入れ子構造にしているのは、映像の可愛さだけを褒められるウェス・アンダーソンの反発なのかもしれない。それにしても複雑…
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