もしかしたら、イーストウッド監督は当初"父親たちの星条旗"と本作を一本のものとして作るつもりだったのかな……と、何となく感じたり。
ともあれ、客寄せパンダをフル活用して戦時国債をバカ売りしたアメリカとは打って変わって、まさに欲しがりません勝つまでは精神を完遂せざるを得なかった大日本帝国の状況がフルボッコ級に伝わってくる一作。
ただ、『ジャップだって良き父や夫であり息子であった』ということを衒いなく表現する内容だったわりには、件の手紙がアクセント以上の演出になっていなかったのがちょっと残念。正直、冒頭で発見される遺品が大量の手紙だった、というトコロまで判っていれば本編中の手紙の重要度も大きくなってたような気が。
台詞は主演の渡辺謙も脚本の和訳を手伝ったということなのでかなり自然な日本語になってたんだけど、どうせなら万歳の仕方にもこだわって欲しかったなァと思わずにはいられなかったり。
それはそれとして、全世界が『ミミズを取ってこい』の一言に「は？」となったことは間違いない……と信じて疑わないのはワタシだけですかそうですか。
