プッチーニの大傑作であり見せ場の多いオペラで、人気の物語。喜劇よりも悲劇のほうが好みなら外せない演目かと思います。
第3幕が最大の盛り上がり。
世界最高峰のソプラノオペラ歌手と形容されるアンナ・ネトレプコは凄いです。
ただ、コロナ禍のためか、無観客での収録のようで拍手がないのも物悲しく、オペラ本来の良さが出切らなかったかと思います(2020年12月に上演)。
率直な感想を書くと、2019-2020シーズン(コロナ発生直前に)開幕公演だったスカラ座のリッカルド・シャイー指揮&歌姫ネトレプコの『トスカ』を既に観ていたので、スカラ座版のほうが格段に好きでしたし、ネトレプコもこの時のほうが上手く感じるのですが、
それも当然といえば当然で、公演中止が相次ぎ、一年間も思うようにトレーニングも出来なかったでしょうし、マスクをしてできる弦楽器•打楽器とは違いオペラの再開はいつになるか分からない中で、不安で過ごしたことは想像に難くなく。通常の『トスカ』登場人物よりも少ないキャストであることからも、小規模ながらも上演したのだと考えられる舞台により、勇気づけられた人も多いでしょうし、これだけの技量を維持しているネトレプコのプロ度もやはり凄いと思います。
今回は舞台セットも地味で、演出家によって全く違うものなので、好みかそうでないかは出てきてしまいます。
それでも、コロナ禍においての意味と、いつでも観れる配信に感謝を込めて☆を少々プラス。
ジャン・ルノワール監督が撮るはずだった『トスカ』(助手のコッホとルキノ・ヴィスコンティが協力して完成させた映画版)も、観れる日がきて欲しいです。