いっきゅう

ドーナツキングのいっきゅうのレビュー・感想・評価

ドーナツキング(2020年製作の映画)
4.0
この映画の中で、
二度同じセリフが語られる。
まさにあの言葉こそが、
アメリカを象徴しているのだ。

アメリカ人の96%が好むドーナツを
誰が提供しているのか。

またアジア人の特徴のような
助け合いで成長してきた産業なのにもかかわらず
一大企業にならないで個々人の経営のまま
というのも不思議な感じがした。
そこはアメリカという地に息づいている、
「個人の精神」に彼らが染められているのかもしれない。

それと、この話は世代の問題も取り上げている。
親のアメリカンドリームの中で育った子たちは
どんな夢をもてばいいのか。
映画の中では、自分なりの答えを見つけ出して
夢を描き始めた子たちを見せてくれているのが
ポジティブな余韻を残してくれる。

ひとりの男の人生の光と影、そして
静かな終焉が見事に描かれている。
学ぶことの多い映画だと思う。
いっきゅう

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