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Untold: パレスの騒乱のIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

Untold: パレスの騒乱(2021年製作の映画)
3.4
Netflixのスポーツドキュメンタリーシリーズ「untold」。直訳すると「語っていない(こと)」とか「明かしていない(こと)」、このシリーズが面白い。
題材は、2004年NBA史上最悪といわれる乱闘事件。当時を知るNBAファンには必須のドキュメンタリーかも。数回観てもた、Netflixだし。
かつてのNBAはボディコンタクトも激しかったし、選手同士の殴り合いも珍しくなかったので、当時この事件をニュースで知った時はそんなに深刻には捉えておらず「さすがアメリカ、派手にやっとるの〜」ぐらいのちょっと激しいお祭り騒ぎ大乱闘くらいにしか思ってませんでした。が、このドキュメンタリーを観て、事態はもっと深刻だったと知りました。
レジー・ミラーとジャーメイン・オニールには少々感傷的になってしまう。レジェンド選手レジー・ミラーのチャンピオンリングへの夢を砕き、これからキャリアの全盛期を迎え、NBAの顔にもなりえた若きスター、ジャーメイン・オニールを潰した。そして、事件の中心人物で発端ともとれるロン・アーチスト(現メッタ・ワールドピース)は、数年後レイカーズで優勝した。
昔から性格に問題ありといわれてたロン・アーティストは一番の悪者かというと、そうではない。事件の発端は、スポーツにありがちな選手間の小さなフラストレーションで、それがどんどん膨れ上がり、ついには観客に飛び火し、さらにどんどん大きくなって爆発してしまった。それこそ怒りのビッグバンを見るかのよう、そんな印象。そしてこの事件後、次のシーズンでレジーは引退、オニールはトラウマを抱え失速した、残念。
近年は、外国での暴動のニュースもそんなに珍しくなくなりましたが、顛末は同じようなものなのかも。小さな綻びがどんどん大きくなり大事件まで発展する。そう捉えるとNBAに興味がない人がこのドキュメンタリーを観てもそこそこ面白いのかもしれません。
ちなみに、家に眠っていた2005〜06年のNBA選手名鑑を見ると、事件後もオニールの評価はとても高く、真のスター、リーダーとしてまだまだ将来を期待されていた。う〜ん…残念。
(映画の点数どうしよう。当時のNBA、各チームの状況と選手達を知っている人は始めから最後までずっと面白いと思うけど、これをきっかけにNBAに入るには少々無理がある。なので…2.7〜4.0…間とると3.4か?)
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