こーや

夜の帳につつまれてのこーやのネタバレレビュー・内容・結末

夜の帳につつまれて(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「夜の帳につつまれて」
夜は暴力、ネグレクト、どうしようもない生得的に置かれた悲惨な環境の世界。
楽しいはずの昼の旅行のあいだも常に、身体が衰えていったり、警察に追われたりと、夜の世界が侵食してこようとする。
生得的条件によってひとりでタバコをつけられないユウヤの性質もまた、その歪みゆえのなす術のなさを表しているように思う。
二人がたどり着いた海が夕暮れに照らされたそれなのは、これから訪れる夜の世界を暗示しているからに思えてならない。
追い詰められて困っている人間を助けるひとびとは、静かに、夜を知っている。
ユウヤは夜を知って大人になることはできなかった。それが生得的条件によるものということを考えると、この作品がすぐれた悲劇だということがわかる。
こーや

こーや