恐ろしく退屈なGW。何か面白そうな映画はないかなぁ、と探したら白石和彌監督の新作があるじゃないですか。阿部サダヲがサイコパス役でしかもレビューにはグロいとある。これは見に行ってみようと当日決めてみた。
うーん、阿部サダヲのサイコパス演技は想定の範囲を超えるものではなかったし、面会室の緊張感は「凶悪」には至っていない。なんだろう、阿部サダヲには一瞬でも見せる狂気を期待したんだけど、終始良い人から抜けられず、狂気を感じることはなかった。やっていることは怖いのに良い人、その顔の真ん丸な黒い眼球に怖さを感じて欲しかったのかもしれないけど、もう一味欲しい。面会室の緊張感が「凶悪」には至らないのも、やはり、ピエール瀧と山田孝之という名俳優が揃っていたところにも依るのかもしれない。
グロも現代ホラーの想定を超えるものでもなく、「映画史に残る驚愕のラスト」という煽りも拍子抜け。ラストよりも前半、主人公に無駄に降りかかる数々の胸糞シーンのほうが嫌悪感があるなぁ。
