死刑囚と大学生の話なので拘置所での面会シーンが本作の肝になってくるのですが、その演出が色々と練られていて良かったです。
リアリティを損なうかもしれないギリギリの演出もありましたが、ガラス越しでも命の危険を感じた『凶悪』の名シーンをブラッシュアップしていて、より危機感と緊張感が迫る作りになっていました。
また、キャスト陣も素晴らしかったです。
いつも私たちを笑わせてくれる阿部サダヲがとにかく怖い。数々の地獄を見てきたであろう光の無い目は見る者をゾッとさせるには充分な説得力がありました。
個人的に被害者役の佐藤玲の叫ぶ演技がまさに絶望そのもので素晴らしかったです。
鑑賞後も耳に残って悲しくなるほどに。
派手な演出は無く静かに物語は進みます。
心理描写が明確なお陰か考察も兼ねながら鑑賞でき、満足度の高い映画体験でした。
以下は少々のネタバレです。
冒頭の阿部サダヲのシーン、手から落ちる桜の花びらがヒラヒラしてて美しいイメージカットだな〜。と思っていた平和ボケは私です(笑)