なちゃ

死刑にいたる病のなちゃのネタバレレビュー・内容・結末

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


グロいって聞いてたからドキドキしてたけど爪痛い〜!って感じでグロシーンは10分もなかった。ちょっと抵抗された時にうんうん😌ってなってるサダヲ優しい顔をしている…。
いっちばんさいしょにパラパラ落としてたの爪だって気がつかなかった。桜の花びらだと思った。


病は伝染するのか、そもそも心に傷を負った人間が多すぎるのか。
途中雅也が「お父さんなんですか…」って言ったくらいからなんかおいおいおいおいそりゃないって現実見て〜〜!!と恥ずかしさを感じた。も〜そうやってすぐ自分は特別なんだと思いたがる。あとなんかよくわかんない集まりの情報収集会にも行くな。

「抑圧的な両親に育てられた子供は総じて自尊心が低い」

これはマジ。本人の性格とかもあるけど、これはマジでそう。だから自分をわかってくれる人が好きになる。
サダヲがめちゃくちゃ褒めて自分を見てくれているときの気持ちがわかって辛かった〜。精神的グロ。
決して良い人ではないのが最悪だったね。普通に良い人で終わったらよかったのにね。

結局は自分の支配できる子が好きなのであって、
言葉や行為に本当の愛なんてない。
ゆっくり信頼関係を築いた子達がどうして、なんでと悶え苦しむ様が好きってのはかなり業が深いよなあ。きっかけなんてなくて、ずっとそうだったのだろうか。
何気に一番グロいのは、14歳の時の犯罪ではないですか?子どもの探究心と狂気さが煮詰まったなんで野放しにしてんだよレベルの話だと思うんだけど。

にしても阿部サダヲ、顔が可愛いっ…。あんなパン屋さん信じるし好きになるよ。画面にサダヲが出てくるたび可愛いっ…!ってなった。マジで可愛い。
「どうしたの?ん?」って言ってる時のサダヲ、画面の彩度低すぎるのに空気柔らかすぎてほのぼの映画かと思っちゃうもんね。

金山くんは弟と仲良くできているんだろうか。あの時のことは謝りも何もできないで話せないままいるんだろうか。
私は選ばされたのが真実だと信じたいけど…可哀想だよなあ。でも上司殴ってるんだよな〜。抑圧された感情を爆発させちゃうみたいなこともサダヲ言ってたよね…。ひ〜ん。金山くんは金山くんで何かしてもおかしくない。

最後、彼女までサダヲの息がかかってたってわかるシーンは「気をつけてね、あっち側に行っちゃったら戻って来れないから」っていうところなんだろなと思った。おそらく彼女はもう戻ってこれないとこまでいってんじゃないかな〜。
雅也が踏みとどまれた線を越えちゃう子、信者になってしまう子。そんな人たちがいても不思議じゃない。

逃げて雅也〜〜〜!!!!!と思ったけどどうだろう。JKに微笑みかけたシーンは流石に不審者すぎて笑っちゃったけど、彼も戻ってこれなくなるんかな。そもそも父親との関係も解消されてないし。理解のある彼女もいるわけだし、あの場から逃げずに爪剥がしたり傷つけあっててもおかしくなさそう。雅也押しに弱そうだし。
問題行動が特に強い子をリーダーにさせて、次に違う子をかまって寂しくさせるんだっけ。ああ、考えれば考えるほど雅也は大和の手のひらから抜け出せない気がしてくる。


私が向こう側に行かないでいられるのは、自分自身を好きなこととか周りの人との関係とかがあって止まっていられるだけで、そうじゃない人たちは境界線を悠々と越えられるんだろうな。
隣人がその薄皮一枚のところで止まってくれていることに感謝しかないね。死にたくない、殺されたくない。

大和は逮捕されて向こう側にいても、人を操る感覚を忘れられないでゲームみたいに楽しんでるんだろうなと思った。別に真相に辿り着かなくても、信者になっても、会いにこなくてもテレビを見てるくらいの感覚しかなさそう。
元獲物たちがいるじゃん!ってなった時楽しかったんだろうなあ〜。

小屋に火をつけて、コレクションを全て捨てた時を別れの儀式って言ってたけどそこがよくわからない。捕まらなければずっとやっていたとも言うし、最後の最後で言った「疲れちゃったなぁ」が本音なんだろうか。
慢心と油断、拘束をしっかりとしなかったこと。なんとなく賭けに出たような気もする。

自尊心高めていかないと隙間に入ってくる人は現実にもたくさんいます。自己肯定感あげてこっ…。生きてるだけでいいんだから…!

〜パンフレット読んで追記〜

監督の「シリアルキラー、榛村大和の暇潰し」と言ってるのを見てそれ〜〜!!それそれ!となってしまった。
そうなのだ。反省もクソもない、場所を移しただけだ。自分の命すらどうでもよくて、新しいおもちゃを探している。
小さな町で少年少女を殺していくことに飽きてしまったのかもしれない。ただ次のステージに行きたかったのかもしれない。
それを含めての別れの儀式だったのかもな。
結局全部嘘でその場その場でしか喋ってない気がするな〜。雅也、諦めよ…。
にこやかに中学生の子供に薦める本の話をしてるところがほんと怖かった。なにわろてんねんって感じだった。ああやって人の心にスルスル入っていくんだなあ。