外面

死刑にいたる病の外面のネタバレレビュー・内容・結末

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

演出も良くて怖くて演技も上手くて言うことない…ホラーより怖かったわ
開始早々あんな爪剥いで眼球抉る映像が流れるとはつゆにも思わず衝撃とグロさに死んだ。あの逃げてきた女の子の抉れた手首とかふくらはぎの肉と骨の映像が抜けないし、あの絶望の悲鳴とかふくらはぎの肉を親指で押し込んで聞こえる絶叫とか胸がぐわってなった。
俳優固めていて好印象すぎる。阿部サダヲは今でもマルモのイメージしかないから正反対の役に頭がついていかなくてそれもさらに怖かった。笑顔は同じはずなのに今回の役の笑顔死ぬほど怖くて夢に出そう。1番危ない人ってあの目する、身近にも似た目の人いる、多分拗らせてんだろなと思ってる。なんであんな深海みたいな深い黒目で怖い顔できるんだろう。岡田くんスタイルのいい正統派イケメンのイメージしかなかったけどめちゃくちゃ上手くて怖かった。最初のただの大学生から感化された時の目のギャップ…目の演技が上手い人信用できすぎる。岩ちゃんもあんなイケメンなのに顔の良さマイナス100みたいな外見で最初わかんなかった普通に俳優さんかと思った。上手だね…そしてなんだかんだあの女の子知らなかったけど良かったんだよな…大学にいそうでけどやばそうでやっぱりやばかった〜!!って感じ、完璧。
阿部サダヲの言ってること分かってしまうのが怖くて、私も境界線が見えてる状態で踏み込んでないだけなのかなと思うと不安になった。自尊心が低い人を肯定すると依存されていくってまさにその通りだし肯定とか需要って自分自身が意識して人に接してる部分だから悪用したら阿部サダヲになれてしまう節が少しありそうで死んだ。なにより「自尊心が低い人は何者かになりたがる、殺人犯の息子かもしれないと思って興奮したんじゃない?」ってセリフ、身に覚えがありすぎてずっと頭をぐるぐるしている。もちろん殺人犯の息子な訳ではないんですけど。私小学生くらいから大学生の今までずっと馬鹿ですがアイドルに憧れてて、その夢を諦めるために憧れる同じくらいの熱量で「なんでアイドルになりたいか」を鮮明に考え続けてきたんですよ。多分私は「アイドルの私」って肩書きが欲しかったのかなと思ったことがあって、それってまさに何者かになりたいって感情ですよね。今も就活で他の大切な優先事項を無視してでも少しでも名の知れた企業であることを優先してる自分がいたり、こういう映像を見てこのメモを残すのも「他の人は考えないところまで深く考えられる思考力がある人間」だと無意識に思われたいからだろうし、人の目を気にして美容に気を使うのも「可愛い人間」だと思われたいからだし、体調が少し悪いだけで金欠の中通院して原因解明に勤めるのも勿論体調の回復のためでもあるけど心のどこかで「病気という特別性を持ったわたし」になりたいのかもしれないし(いざ診断出たらしんどいだろうけど)、ADHD.HPSだと思っているのもそういう得意性を求めてしまっているのかもしれないし、そうやって他人軸の認識の中でしか生きられないのって自尊心が足りてなくて、認めてあげられない分他人に認めて欲しいのかなって。こうやって自尊心が足りないっていい続けるのももしかしたら特別性を求めているのかも。私の人生の中で「私はこういう人」ってしてきたキャラ付けって全部何者かになりたくて認めて欲しかったのかも。これの凄い浅い話を友達にしたら「まあ認めて欲しいのは誰にでもある感情だよね」と言われて確かにと思ったしやっぱり私は私を特別視したいんだな〜って思い知らされた。ただの1人の人間なのに特別なことなんて何もないのにね。
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