Marie

死刑にいたる病のMarieのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.5
阿部サダヲの演技を堪能する映画。
典型的な秩序型シリアルキラーで、社会的には人当たりがよく、それでいて他者への共感は抜け落ちており、かつ他人を操ることにかけては天才的な能力を発揮し、純粋に自分の快楽だけのためにそれをする。並の人間には想像すら難しいキャラクターを怪演している。
ほとんど死刑囚の面会室での会話劇なのだけれど、ごくシンプルな空間であるにも関わらず、構図が非常に面白い。その超え難い透明な壁の内と外は、次第に曖昧になっていき、いつのまにか重なり合い、最後には反転する。どちらが囚われているのかわからない。さりげない、しかし計算し尽くされたメタファーである。
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