イングロリアスバスターズでクリストフヴァルツとともに名演、ブレイクするかと思いきや、作品選びがイマイチパッとしないメラニーロラン。世間的には他作品としてはグランドイリュージョンとオーケストラかな。それでも作品全体の力があっただけで彼女の魅力を存分に発揮したとは言いがたい。たぶん彼女の一本を上げるなら未だイングロリアスバスターズだろう。
そんなメラニー監督作の今作、実はもう数本とっているらしく、不勉強で未見だったのだが、ダークなCDアルバムを出しているのは知っていたのでクリエイター気質なのかもしれないと思った。
女優業としてはなんかぬるい作品が多いなと思っていたのだが、その延長線上にはないハードな作品なのでオススメできる。彼女の美形だけど愛嬌がない感じが今作では上手く出てる。もちろん主演、脇の患者役も素晴らしい。特に隣ベッド役の女優は絶妙。このメラニー達で約束のネバーランドを撮影すればどっぱまりするだろう。
邦題、あらすじ紹介で想像する感じでは、封建的な男性社会で抑圧される女性、気の強い主人公の反抗物語かと思っていたが、30分くらいまでメラニーも出ないし、病院も出ないので間違えたかと焦った。他の人の解説している通り宣伝が良くないのだろう。
男女の枠組みというより主人公はもともと埒外でアウトサイダーな気がする。男と女の戦いであるかもしれないが、科学vsスピを男女に置き換えてる気もする。
最後はシンクロしているかのように主人公もメラニー(青服にタバコが印象的だが)も白に赤目のカーディガンを羽織ってるのだが、それで海を見渡す主人公はモーゼ的な何かにも見える。
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