しん

人と仕事のしんのレビュー・感想・評価

人と仕事(2021年製作の映画)
1.9
有村架純と志尊淳が緊急事態宣言下で様々な「仕事」に従事する人々の話を聞くというコンセプトは興味深いが、いかんせん話が浅い。例えば児童相談所やホストの話など、掘ればもっと面白くなりそうなものが散りばめられているにも関わらず、まさに「メディア」に出ているレベルの話しか聞けておらず、この映画を見る意味が二人の俳優を見る以外にあまり見いだせなくなっている。

特に残念なのが、二人が聞くことの特別性がほとんど見えなかったこと。二人だからこそ聞き取れた話や、「仕事」の闇、緊急事態宣言自体への評価などがほとんどなく、唯一踏み込んだ話をしていたホストも、かなり作り込んだ話し方でその裏側にある部分が見えなかった。

保育士の映画が撮れなくなったための代替企画だったようで、その点から見ればアイディア勝負に出た感じも分からなくはない。しかし「人と仕事」を冠して映画を撮るのであれば、やはりもう二段くらい踏み込んだ内容にしなければならなかったのではないか。
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