Ryoya

ある男のRyoyaのネタバレレビュー・内容・結末

ある男(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

予告の段階では「嘘を愛する女」と似てるのかなと思ったけど、話の方向性は全然違いました。

何よりキャストが豪華。全体の話のトーンとテンポの割に観られる作品に仕上がってるのは演技力だなと。

自分を含め人をどの粒度で認識できるかみたいな、突き詰めるとテセウスの舟みたいな話なんですが、柄本さん演じる小見浦の台詞は痛快で良かったです。
実際身の回りで戸籍ロンダリングをしている人に出会う/見つける機会はあまりないかもしれないですが、現代社会ではSNSのなりすましや、最近の時事っぽい話だと認証マークのあるTwitterアカウントだと本物と信じちゃったりする話とも受け手側としては近しいのかなと。

それとは反対に、誰かにならないと生きられない息苦しさを抱える人というのも、ラストのバーのシーンで伝えられていて、そもそも妻夫木さん演じる城戸は在日3世で帰化してる身。その城戸が弁護士というのを伏せて話してるのがXが二度重ねて戸籍を変えているのと同じで面白いなと思いました。

個人的には始まりと終わりの絵画の部分がお洒落な撮り方するなぁでした。
Ryoya

Ryoya