このレビューはネタバレを含みます
すごく考えさせられた。
私は誰なのか。
名前(戸籍)を変えることで
人生を変えようともがく。
人は様々なことを抱えているけど
自分ではどうしようもない過去を持つこともある。
窪田くんが演じた原誠=曽根崎=谷口大祐は
殺人犯の息子であることに苦しんだ。
どんどん父親に似る自分が嫌で、ボクシングで自分をいじめたり鏡を見れなかったり…
だから戸籍を変えたのだけど
顔を変えようとは思わなかったんだなぁ。
新しい土地で、出会った家族と束の間幸せな時間を過ごせたのだろうか。不運な事故で死んでしまったけれど。
太賀演じる谷口大祐は
旅館の息子だとゆわれることが嫌だったのか
家族との関係が嫌だったのか
本当のところはわからないけど
誰も自分のことを知らない環境で
生きてみたかったのだろうか。
そして彼らを調べていた弁護士もまた
在日3世であり、人種差別や
差別とまではいかなくともどこかに感じる壁や距離、それに伴うジレンマがあったのだろうと思う。これまでは受け流せるくらいで、笑ってやり過ごしてきたことだったのかもしれないが。戸籍を変えた人々を調べるうちに
自らのそんな気持ちに気づいたのかもしれない。
ラストシーンでは谷口大祐の生い立ちを自らのことのように語る弁護士がいた。
彼もまた名前(戸籍)を変えたのか?
もしくはほんのいっとき、自らの人生と切り離された時間を過ごしたかったのだろあか??
安藤さくら演じる妻と中学生の息子の関係性も良かった。演技も素晴らしかったな。
お父さんご死んで、悲しいよりも寂しいってゆうのもグッときたな。
あと知ってしまったからこそだけど
明らかになった夫の過去は別に知らなくても良かった(問題ないとゆう意味で)ってゆう言葉も素敵でした。名前とか過去で愛は変わらないんだなと。
小籔さんは良い味だしてた。
それから柄本明さん演じる戸籍売買の仲介人の役もすこしおそろしかったけど、それだけ素晴らしい演技でした。