死んだ夫が別人と判明し、その妻から男の身元調査を依頼された弁護士が、男の真実を追う物語。演技派俳優たちが勢揃いの本作。死んだ男は何者なのか…ミステリーサスペンスのような雰囲気で物語は進んでいくのかと思いきや、男の過去が徐々に明らかになっていくにつれて切なさを漂わせる。もしも他人の人生を歩めるとしたら…人生をやり直せるとしたら…そうしなければ生きられない人も少なからずいる。「今の環境から抜け出したい」「あの人のようになりたい」と思うことは誰にでもあるだろうなと、観ながら考えさせられました。ミステリー部分と、ヒューマンドラマ部分をバランスよく盛り込んだ作品に仕上がっていました。ヘイトスピーチ、加害者家族としての立場、血の繋がり、戸籍…。現代社会にもまだまだたくさん差別や偏見があって、自分とは何者なのか、自分らしさとは何なのかをテーマにしているところが勉強になりました。最後のシーンはゾクッとさせられました。でももう一つ何か大きな展開は欲しいなと思ってしまった…
柄本明はやっぱり演技上手すぎる！！
