Periko

ある男のPerikoのネタバレレビュー・内容・結末

ある男(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

人間味あふれるリアルな作品。
日本アカデミー賞受賞と聞き見に行った。

実家の文具店で働いている武本りえと、物静かで絵を描くことが好きな谷口大佑が出会い、仲良くなり結婚。ここまでの展開は早かった。車のキスシーンで、谷口が車のサイドガラスを見ながら気持ち悪くなる。?と思った。後々わかることで、死刑囚の息子で顔がそっくりだから見るたびに気持ち悪くなることが背景にあった。
新しく女の子も生まれ家族4人幸せそうだったが、息子のゆうとを林業に連れてった際に木に潰され死んでしまう。遺族のお兄さんを呼んだ時に遺影がないと言われ、夫は谷口だいすけではないと知るところは衝撃。このお兄さんはデリカシーのない人で、こんなところで迷惑かけて。とか平気で言う。
身元の捜索依頼を、城戸弁護士に依頼。以前りえが離婚した時にお世話になったらしい。城戸先生は在日朝鮮人らしく、奥さんのお父さんも在日にはあまりよく思ってない意見を持っていた。城戸先生は例外だが。とかいってたが。
あまり居心地が良くなさそうで、長年関わっていくのはきつそうだと思った。して、この夫婦絶妙に距離があるように見えた。妻からこの前の出張は本当に出張?と言われ、本来出てくるはずのない質問が来て驚く城戸。この時にはもう、奥さんは浮気をしていてその発想があったのか。
谷口だいすけを調べるとボクサーで死刑囚の息子だと判明し、この悪い過去を消そうと苗字を2回変えてたことがわかる。戸籍替えの仲介人に城戸が面会に行った時に、在日だと言うことをバカにされて2回目で切れたあたりから、先生も戸籍変えそうだと思った。本物の谷口だいすけと後藤美涼が喫茶店で会った時、すごくお互い嬉しそうで仲良さそうでそれをみて、城戸先生もこういう関係を望んだのかなぁ。りえと原誠(窪田くん)のお兄さんに真実を伝えた際、お兄さんが原誠やりえさんたちのことをバカにし始め、キレる城戸さん。ここでもう完全に城戸さんは原誠に完全共感してて、戸籍改変することがこの行動で自分の中では確定した。そのあと、城戸先生は家族でご飯に行く、妙に明るいシーン。妻がトイレに行くとケータイには見知らぬ男からの、昨日はありがとうね!余韻がすごい。みたいなLINEが飛んでくる。
次のシーンでどっかのバーで飲んでるシーンになり、13歳と4歳の子供があると話しており、谷口だいすけの経歴、温泉家系の息子だと自己紹介を始める、「私は、、」と名乗ろうとするところで終了。

おもろかった。
窪田くん、妻夫木くん、安藤さくらさんの演技は妙にリアルで引き込まれた。柄本明の安定の不気味さはさすが。息子のゆうとくん役の子も、この歳の子のつんつんした振る舞い方としてはかなり良かった。世の中には戸籍を変えるような、手段を選ぶことでしか自分の過去を忘れられない人がいる。
また、名前は自分のアイデンティティでもある。ゆうとが、僕何回名前変わるの?て悩んでいたところは、本当にその通りだと思った。
最後のどんでん返しは予想ついてたけど言い終わり方だったと思う。

城戸先生、清野奈々か安藤さくらと恋人になるかと一瞬思った
Periko

Periko