『蜜蜂と遠雷』の石川慶の監督作品。
芥川賞受賞作家、平野啓一郎の同題名の小説が原作。
安藤サクラ、妻夫木聡等の豪華キャストで日本アカデミー賞を受賞。
レンタルが開始されたのでやっと鑑賞。
自分を自分たらしめるものとは何ぞや、という哲学的テーマと、なりすまし男の人生を追うミステリータッチの展開で見応えはある。ただし脚本と演出が極めて小説的でミステリー小説あるあるチックなラストは最後の一行まで古典的。二人の男のシルエットのモチーフの使い方なども映画というよりエンタメミステリー小説の扉絵感が漂う。妻夫木聡の顔面が強すぎて在日コリアンとしての生い立ちや家庭内の問題に全然リアリティを感じられなかったのも残念。
そうはいってもしっかり2時間と少し目を離さず鑑賞したし、戸籍という日本独特の制度を使った映画として印象に残るものではあった。