なんとなく予告を見て面白そうだなと思ったので鑑賞。
凄く良かった。
文具店での出逢いから、何かを背負っているようなその男は小さな安らぎを見つけ、家族となった者達と幸せに過ごす。しかし…
予告で分かると思うので、書くと彼は事故で呆気なく亡くなってしまう。
家族が聞いていた彼の過去。過去から現れた兄は、仏壇に彼の遺影がないと言う。仏壇に置かれた遺影はその男ではなかった…
家族が時を過ごしたその男は何者だったのか?
弁護士城戸が家族からその男の身元調査を依頼され探し始めるミステリー部分が、なかなかゾクゾクする展開だった。
自分のこと知る人が誰もいないところに行くと、ふと心が自由になることがある。
誰でもひとつやふたつ脛に傷を持っているもの…だけど、手放したくない何かを持っているとそう自由にはなれないよね。
ついて回る過去、それ以上に自分の身体を流れる血にまで縛られて生きるのが人。
守りたいものが本当になにもなくなり、自分すら捨てたいと思ったら、誰か別の人間として生きることを選ぶかもしれない。
だけど、運命ってそれでもその人について回るんだな…
人は1人で生きていけない。誰かにとっての自分がいつもそこにいて、それって必ずしも自分自身ではないかもしれない。そうやって生涯、自分と誰かにとっての自分との折り合いをつけて生きていく。
せめて誰かにとっとの自分が幸せで、その誰かを幸せにできていたら本望だよね。
そんなことを考えずにはおれなかった。
最近邦画を少しずつ見始めるようになって、久しぶりに見た妻夫木聡が歳を重ねていい味が出てきてるなと思った。
安定の安藤さくらと実はお初の窪田正孝が凄く良かったなー。父親とその息子の二役だったけど、好きな俳優だなと思った。
キャスティングはほんと大事だよね。
ラストはあってもなくても良いかなとは思ったけれど、あれはあれで良かったと思う。