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香川1区のYMのレビュー・感想・評価

香川1区(2021年製作の映画)
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当確が出るところは泣ける映画とも言えるし、平井支持者に恫喝されるプロデューサー、岸田の応援演説会場に入場拒否をされる監督等々、前作以上に「小選挙区」に密着したドラマであるために見どころが多くなっている。
なんといっても、平井卓也が何回も香川のゴットン便所とデジタルの功績をアピールするところに、「反復」の面白さが出ている。で、だんだん日を追うごとに絶叫して映画もdisりはじめたり、語気が強くなっていく。これが面白い。
平井卓也、平井陣営、平井支持者、選挙で追いつめられると人はここまでするのか、変わるのかと恐ろしくもある。

ただやはり、「保守層」とか「地方層」とか言ったり、「既得権益の権化」とステロタイプ的に断じてしまったりするけれど、個々事情があり、そこを巧みに自民党が国民政党として拾っているのも事実だというのが、序盤に出てくる小豆島のおばさんたちの会話で浮き彫りになる。「公約をきちんと読めば立憲民主が、共産党が支持を集めるはずだ」というのが所詮負けつづける側の戯言であるという事実こそ、「なぜ立憲は与党になれないのか」という裏テーマの答えなのかもしれない。

前作に比して出番は少なくなってしまったが、やっぱり、小川に優しい田崎史郎が面白い。好々爺然としながらウィークポイントをつく田崎に思わず激昂する小川も見どころ。
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