このレビューはネタバレを含みます
本作は、政治家 小川淳也に密着したドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」の続編。
前作からの期間が短いので、「もっと名前を売りたいのか?」などと思ってしまっていた自分もいたが、全くそんなことなかった。
個人的には、代表に選ばれなかった時の裏側ももう少し知りたかったが、映画的には前作より感情移入して、熱意をもらい、感動した。
途中で、それこそ名前を売りたいだけの日本維新の町川氏が現れたのも、その時の行動がメディアに切り取られて報道されてしまった事も、わかりやすく’’選挙’’というゴールがあったのも、途中から平井氏が本作の密着を「PR映画だ。」と批判しはじめたのも、映画にしたくなるのが分かるほどに、嘘みたいにエンターテイメントに仕上がっていた。
そして、なにより長女の発言に心動かされた。
「うちのお父さんのアンチだとして、今回の選挙に負けたとしても、うちのお父さんなら、困っている時に、その人の話を聞くと思う。どんなアンチだとしても、誰の支持者だとしても、困っている時には、ちゃんと熱心に耳を傾けると思う。」
「負け続ける父を見て来て、”正直者が馬鹿を見る“という現実を、社会に出たら受け止めなければならないのだと思い始めていたけど、最後に報われて本当に良かった。」
これだけのためでも観た意味はあった。前作から観ているから、感情移入しているせいもあるが、涙が出た。
自分が、息子や娘にこんな事を言われる親になれる日が来るのだろうか。
想像しただけでも困難で、おそらくあり得ない事だと思う。
それでも、少しでも生き方を見てもらえる大人になれるよう、まっすぐにありたい。
以下、印象的なシーンなどメモ。
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⬜︎長女の言葉
「うちのお父さんのアンチだとして、今回の選挙に負けたとしても、うちのお父さんなら、困っている時に、その人の話を聞くと思う。どんなアンチだとしても、誰の支持者だとしても、困っている時には、ちゃんと熱心に耳を傾けると思う。」
「負け続ける父を見て来て、”正直者が馬鹿を見る“という現実を、社会に出たら受け止めなければならないのだと思い始めていたけど、最後に報われて本当に良かった。」
⬜︎会社の方針で自民党に投票する大企業の人たち
"投票率の低さ"ばかりが指摘され、投票しない若者だけが悪いような風潮があるが、上からの指示で何も考えずに買収されている票数の方が問題だと思う。
自分の知り合いでも、未だに、"父の知り合いが自民党員だから"みたいな理由で投票する人も多くて、たまに驚く事があるが、これはおそらく誰がトップになっても、変わらないであろう日本の政治のシステムのせいであると思う。
自民党も野党もテレビも新聞もマスコミも、一度忘れて、どんなチームにどんなリーダーが欲しいか、初心に戻るべきだ。
わたしは小川淳也のような人間がリーダーになって欲しいし、彼の語る政治のやり方を見てみたい。
⬜︎妨害する自民党員
「迷惑行為だ」と選挙活動の撮影行為を警察に通報した自民党員だが、後半でこちらに向かってカメラを向けていたり、大声を出して迷惑な行動をしていて笑ってしまった。