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香川1区のnowplayingのネタバレレビュー・内容・結末

香川1区(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画の中の小川氏が危うくも人が良さそうに見えるのは、周囲の人があまりにも温かいからなんだろうなと思った。にわかには信じ難いほど献身的な仲間とご家族に囲まれて、こんな縁に恵まれた人はそういないだろう。

比べて平井陣営からは人の連帯の気配がほとんどない。何もかもが用意されていて、その中心にたまたま平井氏が座っているだけに見える。そりゃカメラに映っていないところにはあるかもしれないけれど、どうなんでしょう。少なくとも開票時の事務所に集った人々の層の厚さの差は明らかだった。
喜びに沸く小川選対の人々を、メインの高松の事務所のみならず小豆島の小さな事務所でも映しているところがすごく良い。離れた場所にも仲間がいる絵がひとつあるだけで、映っていない場所にも同じような人が多数いるであろうことが伝わってくる。

取材すればするほど悪い面しか出てこないネタの宝庫平井陣営につい目が行くけれど、小川陣営の選挙スタイルにも疑問点が無いとは言い難い。小川氏もご家族や同級生の皆さんを「被害者の会」とよく言っているし重々承知と思うが、それでも特にパートナーの公私の協力をある程度当然のものとして享受してはいないだろうか。これもそこここにある構造なのだろうけど。

でもまずは勝たなくては始まらない。良し悪し別にして、維新に突撃の件もそんなジレンマの産物なんだと思わせられる。八つ当たりされて引いてる田崎氏が気の毒面白くて爆笑した。あと、平井氏へのインタビューで礼儀正しくもけっこう切り込んで殿様とか言っちゃう大島監督にも爆笑しました。
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