ひろうそん

さがすのひろうそんのネタバレレビュー・内容・結末

さがす(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

指名手配犯をさがして失踪した父をさがす娘を描くミステリー。実は父は指名手配犯(自殺志願者を殺す)の共犯者で、獲物をさがす役割を担っていたことがわかるどんでん。それだけでは終わらず、父が指名手配犯を正当防衛に見せかけて殺し、懸賞金を手にするが、父の正体に気付いた娘が通報するラストまで裏切りのある展開が続く。
安楽死問題、ALSの苦しみは切実に胸に迫るものがあったが泣けなかった。父に感情移入できなかったからか。人殺しちゃうと一気に離れてしまう?妻のツイートを見て首を絞めるシーンとか唐突過ぎるように感じた。もうちょいその葛藤と、共犯者としての葛藤を見たかった。娘のため感ももっと出せれば娘に通報される切なさ際立つか。
一トイレでムクドリと笑い泣くシーンは食らった。彼女の背景が全く語られないことが功を奏す。
西成舞台で関西弁や人々の空気感の明るさが重々社会派テーマを若干見やすくしてる。ラスト「迎え来たで」の鉄板ボケをフリに使うところ好みです。スケベじいちゃんのAV天国部屋等、ちょくちょく笑いが入るものの、どの感情で見ていいのか迷子になる。クライムサスペンス、コメディ、社会問題、家族愛と「パラサイト」ぽい要素が詰まってるものの、笑い→シリアスへのわかりやすい切り替えがないことがエンタメ感を損なってるのか。要素詰め込むとしても、シーンごとの味をはっきりさせることがエンタメには必要だと確認。
偽札だったとこ、クーラーボックスに酒入ってるとことか、空回りしてる切なさをもっと立ててよかったのでは。
演出すごい。しょっぱなの色んなアイテム使って娘のダッシュ見せる&音楽からおもろいもん見れる感。無音の慟哭シーン、ピンポン玉の使い方、ラストの卓球シーン。
キャスティング全ハマり。
何が言いたいかというと、要チェックやで。