ねぎおSTOPWAR

さがすのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

さがす(2022年製作の映画)
4.0
日本人として唯一ポン・ジュノ監督の助監督を経験した片山慎三。
彼の「岬の兄妹」を観て、ついにこれを拝見いたしました。

結構エンタメに寄せたんだなあって思いましたが、なんとも『日本映画』っぽくない飲み込みづらさ!w
「岬の兄妹」同様に人間の生々しく醜い部分を提示してきます。
きれいごとで終わらさないんだよなあ。凄いなあ。
そして醜い部分も”サイコ”にはしない。

通常多くの日本商業映画では、テレビでの流儀(本当の悪人にしてしまうと役者が悪いイメージだけ背負うため誰もやらなくなるので、悪い人物を最後には<いい人>にする)よろしく負の部分を綺麗に処理しようとします(全部じゃないですよ!)。
マンガ原作だったり、グロ系のモノの場合、どうもサイコ野郎みたいなテンプレに寄っていきますよね。
サイコだったら理解する必要ないんですよね。そうなっただけの環境などが悪いんだね!とかで終わる。

片山慎三の作品、2作品で思うのは・・
この方、<サイコの対極>の<いい人>に潜む醜い部分をポイと表すんだなって。
今作の場合でも、劇中に亡くなる方数人いらっしゃいますが、お年を召した人もかなりイカレてますよね、殺されてしまう<いい人>ではない。変態・・というかこの人変態ならみんな変態な部分持っていますよね!
先生だってごく普通の嫌なヤツ。警官も適当。
車いす乗るあの人も、何だあの口の悪いの!・・でもさ、陰でああやって言ってるやつ大勢いるよね。つまり普通。
そう!だから我々が映画観ながら恥ずかしくなる!ww
「あっ、自分も気を付けなくちゃ・・」って。
「じゃあさ、おっぱい見せて」って笑えるけど、男の本音。バカみたいだけどそんなもん。

****

良いか悪いか、好きか嫌いかとかは別にして、従来の型に嵌らない面白い映画監督出て来たな!って感じですよね。

”あそこ”はさ、見事(笑)なVFXですが、あれどうして途中で放棄したんだ!?ww
予算が限界に達したとか?

あとはね、大阪には住んだことないし、どうもあのコミュニケーションの本音が掴み切れないんです。おっちゃんやおばちゃんらは大好きなんですが、梅田あたり(偏見?)のスカした人々が怖いんですよ。ボケないし澄ましていて何考えてるかわからない!!
西成がどんな象徴なのかはわかっているつもりw
大阪、一年くらい住んでみっかなー。

《追記》
あっ、そうか!!
一度”アレ”が床に落ちて、そこからエアになったのは、”あの二人”の関係性を象徴してるってことなのね!!そっかそっか。



<2022-63/16>