きょん

さがすのきょんのレビュー・感想・評価

さがす(2022年製作の映画)
4.3
説明過多でリアリティーの無いつまらない映画ばかりの近年の日本映画の中ではかなり貴重なクオリティーの高い作品。

監督の経歴からして韓国映画の影響はそこらじゅうに出ていて「これぞ日本映画」というよりは韓国映画寄りの日本映画という感じで、純粋な日本映画だと言えない所は少し残念。
オープニングからバリバリのポン・ジュノ作品「母なる証明」のオマージュがあって、これからどんな話が待っているのかという期待感や雰囲気があって良かった。

全体のストーリーや構成も見応え十分で「さがす」というタイトルも複数の意味を持っていて考えさせられるし、ラストも綺麗にまとまっていて良かった。
役者の演技も全員違和感無く素晴らしくて、特に娘役の伊藤蒼さんの演技は飛び抜けて良かった。

佐藤二朗と森田望智が二人で泣くシーン、クーラーボックスにたくさんのビールが入っていた理由、ラストの親子で卓球しながら会話する場面など印象的で泣けるシーンも多かった。

韓国ノワール風ではあるけど邦画ではトップクラスに良いと思える作品。
映画内の「やっと見つけた」というセリフのように、個人的に「やっと見つけた」好きな邦画作品。
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