ジェットコースターのような人生。勢いよく上昇したかと思えば すぐに急降下する。初めはナレーションがテンポを悪くしているように感じたがパリに出てきてからは すごいスピードで物語が駆け巡る。犯罪大通りにバチストみたいな白塗りでパントマイムをやってる芸人を一瞬だが親切にも登場させていたので おそらく『天井桟敷の人々』と同じくらいの時代の話だろう。身分違いの恋物語が続くのかと思っていたら人間の欲望や汚い部分を熱気で包んだ映画に変わった。クセの強い顔だらけの中でグザヴィエ・ドランが一層美男に映る。そして彼が語り手だった。
