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ロスト・ドーターのnileのレビュー・感想・評価

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)
4.2
2022年鑑賞一発目

みんな大好きジェイク・ギレンホールの姉であるマギー・ギレンホールの監督作品。
マギー自身が結婚して子供を産んだという自身の経験や願望を元ネタにしているとするならかなり挑戦的な作品だと思う。


大学教授の主人公が休暇で訪れた先で出会った大家族。その中の1人ニーナがかつての自分と重なり、過去を振り返るようになる。
序盤での人形を探すシーンでレダの回想シーンに入りかつて彼女が娘を探していたシーンから幼い娘を亡くしてしまったというミスリードを意図的にしている。そこから少しずつレダの回想は娘たちというよりは子育てとレダの人生にスポットが当てられていき、娘が小さい頃に家を出て行ったことをニーナに告白したことでネタバラシに。
途中でニーナたち家族との会話で見える子育てにもレダはどこか消極的。なぜなら私は子供を捨てたから。かといってニーナの不倫を止めるわけでもない。子育てに圧迫されて気が狂ってしまいそうな状況が痛いほど理解できるからこそガス抜きして自分の人生を生きるってのも悪いもんじゃない。もう少し違った形で2人が出会えていたらレダはニーナの良きロールモデルとして彼女を救えたかもしれない。そんな拭いきれなさが残るラストだった。
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