1920年代、大牧場主の男とその弟、1組の親子を中心に展開される西部劇。広大で美しい大自然とは対照的な、狭く繊細な人間関係を描いたサスペンスドラマでした。
説明があまりなく、言葉も少ないため彼らの心情が掴みづらいんですが、だからこそこの後何が起きるのか読めないという不安によってものすごく引き込まれる。閉鎖的なコミュニティ、そして大牧場主の偏屈で女性蔑視的な性格も、予測不能な展開に拍車をかけます。
ある事件を機に人間関係は歪さを増していきますが、同時にそれぞれの内面が段々とわかってきたかなと思えた中で迎えるラストがすごい。繊細な心の動きや本心が溢れた言動をおそらく随所で見逃しているし、もう一度見るときには味方ががらっと変わるので2回目観たいという意見が多いのも納得。