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恋い焦れ歌えのカーネルのレビュー・感想・評価

恋い焦れ歌え(2022年製作の映画)
3.8
スクリーンで予告をみて、情報はそれ以上入れないようにしてました。
熊坂監督は『プリテンダーズ』以来(ドラマliarも観ました)期待して新作を待つ監督の一人です。

ふぅ。
ズシッときました。
やるせない。

あの予告見てなかったら変に構えることなくもっとフラットに見れたのかも。あの予告はちょっとツリっぽくてその分避けたお客さんも多いのでは?もったいない限りだよ。
でも早くに自分の想像が安っぽ過ぎたと気づけて良かった。
確かに性的インパクト強めなシーンも少なくない作品ですが、それこそトリガーとしてしっかり受け止めました。だからその後の展開での稲葉友演じる仁の心の動きが重く響きます。そして遠藤健慎演じるKAIの行動と想いと彼自身のストーリーがずっしりとのしかかります。
クセが強いKAIのキャラも良かったし〜。まるでキングのように振る舞うのに実は全然違うし、悪魔的に見えるのにそうでもなく。
仁は教員として、結構偏った強気のキャラでこちらの方がキング感あったりw

話自体の起伏や展開が実に面白くて、時間を気にすることもなく見入ってました。
KAI達のラップのステージがある場所の少々のファンタジー感はラップと共に楽しんだモノ勝ちですねwあの美術造形は素敵だった〜
それに何と言っても南幸男撮影監督のカメラの動きがたまりません!!!!
手持ちによるリアルさはいつもながら、横たわる仁の寝顔を下から撮るとか(すごい印象的)遠くに歩いていく者の後ろ姿を撮りながら手前の朝顔にピントを合わせてたり(ため息出るくらい綺麗でした)。

ラップは実はよく聴き取れなかったところが多かったんだけど問題なく響くし、元国語教師である仁の俳句ラップは聴いているうちにジワってくるし、劇伴も聴かせるんだよね〜 
ある意味音楽映画でもあるんだな〜


稲葉友はこんなに綺麗な顔していたの知らなかった。それ以上に強い芝居すること知って今後も気にしていかなきゃ。
遠藤健慎は全く存じ上げず。素敵な俳優だよね〜。手垢がついてない感じはこのままでいて欲しいなぁ。
小久保寿人は適役!他の作品でもそうだけど、最後の最後にやってくれるw最高!
松永拓野は『フタリノセカイ』含めかなりの遭遇率です。名バイプレ。
水澤紳吾は役としては情けないけど、ずいぶん貫禄が出てきた感じするな〜
さとうほなみもまぁよく会うけど、今回はダメダメは封印でカッコいい女性でした。

出来ればもう一回観たい!
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