このレビューはネタバレを含みます
危うく☆2.0にして途中で止めるところだった…良く耐えた。
インパクトのあるタイトルとメイン画に惹かれてあらすじも知らぬまま観始めたけど、冒頭の衝撃的なシーンが予想外すぎて動揺した。その後も胸糞悪いシーンが続いて登場人物の誰にも共感できないまま話が進む。心地が悪いのにKAIの不可解な行動がどうも引っかかる。もう少し…あともう少しだけと辛抱して観てみたら、終盤でやっと報われた。
「そんなシンプルじゃない
みんなごちゃごちゃだよ」
ラップやメイク、不必要に思える様々な演出が、伏線として重く深く拗れに拗れて繋がっていた。
好きな人のトラウマを克服させるためとはいえ、荒療治すぎるだろ…とも思うけど頼りない心理カウンセラーの存在がKAIの行動を意味のあるものにしていた。
ふたりの幸せな時間があまりに短い。
森の青さが綺麗すぎて切なさが増す。
どこまで行っても救われない。
「恋い焦がれ歌え」
観終わって改めてこのタイトルが刺さる。
"恋う"という動詞があることを知らなかった。
決してハッピーエンドではないけど後を引く作品。この過激で複雑な内容をここまでしっかり映像化したのが凄い。最後まで観て良かった。
遠藤健慎の他の役柄も観てみたい。