目玉のドレス

ベルファストの目玉のドレスのレビュー・感想・評価

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.4
子供の目で見た戦争という事前情報からジョジョ・ラビット的なイメージを持っていましたが、似た雰囲気を感じました。
戦争と地続きの日常、戦争しているときは戦争だけしてるわけじゃないことを描いて見せてくれる映画が好きなので、本作品も好きでした。
大人たちの会話から、子供の観測できる世界の外(でもすぐ目の前)で悲惨なことが起こっていることを悟らせる描き方も巧みです。
この映画で描かれる争いは厳密にいえば戦争ではなく紛争なので、そこはジョジョ・ラビットとは少し違うところですが。
本作品での争いの原因は、宗派の異なる住民を排除しようと暴力的に攻撃してくる地域住民。同じ宗派であっても、攻撃に協力しないなら痛い目に遭わすぞと脅してきます。「違う」という理由で攻撃される理不尽さ。
世界のどこにも自分と全く同じ人間なんていないので、自分と違うことを理由に攻撃することが許されるなら、誰一人として助け合ったり支え合ったりできないことになります。
一人一人が断絶される社会、恐ろしいなと思いますが、ダイバーシティが浸透した社会なら、自分と違うって理由で攻撃したりされたりすることなんてなくなると信じたい…。