碧

ワース 命の値段の碧のレビュー・感想・評価

ワース 命の値段(2019年製作の映画)
3.5
『実話に基づく話』
普段ならテンション上がるそんなテロップ、本作は身構えざるを得なかった。
終始、身と心が削がれる思いで鑑賞。

全編、マイケル・キートンのいぶし銀度が凄い。
顔だけ蒼く照らされるとあるシーン、表情のグラデーションには流石に唸った。

ホイットニーの映画で貫禄ある社長を演じていたスタンリー・トゥッチもまたもや良過ぎた。
キートンとの地味に熱いおじさん二人のかけ合いが魅せる。

「formura」という単語がやたら耳についた。
そのformuraによりはじき出された基金額の雲と泥。
からの、キートン演じるファインバーグの特別管理人としての変遷の経緯を強引に描いてなかったところに制作側の真摯さを感じた。

対岸の火事ではない。
全然知らなかったけど、知らなければならない。
本作を観たあと、日々感じている不満など取るに足らないことを嫌というほど思い知る。

事実は小説よりも奇なり。
やはり、実話は尊い学び。
碧